野中信行先生という方がいらっしゃいます。
初任者担当を何年も勤められた後、退職され、今でも全国各地を飛び回っておられる先生です。年に1回だけ、野口塾で先生の講座を受けています。
その先生がブログで次のように書いていました。
もし「ひとかどの授業」をしたいと願うならば、どのくらいのことをしなければならないのか。「ひとかどの授業」とは、1000人に1人ぐらいのレベルの人ができる授業をイメージしていただきたい。そのためには、毎日5時間の授業を意図的、計画的に進めなければならない。学校の1年間を200日とする。200×5=1000時間一つのレベルをマスターするには、1万時間が必要だと言われている。そのためには、どのくらい継続しなければならないか。1000×10年=10000時間毎日、5時間かけて、10年の歳月がかかる。
野中信行先生のブログ「風にふかれて」より。
1000人に1人。
これ、とんでもない数字だな、と思ったんです。
現在、私の勤める学校には教員が約25人います。市には小学校が17校あり、本校は中規模校と呼ばれます。単純に17倍しましょう。425人です。
隣の市をも似たような人口ですので、まあ、だいたい同じくらいの教員がいると思います。
すると、足して850人。1000人弱。
つまり、自分の市と隣の市の中の教員のトップに立って初めて「ひとかどの授業」をする教員になるわけです。
これねえ、絶望的な数字ですよ。私はまだ若いです。志も目標も高く持つべきでしょう。しかし、1000人のトップ…。
無論、授業を他人と比べることが果たして意味のあることかという疑問があるのは分かります。そのうえで、この目標を自分が設定するのかということなんです。
授業が上手くなりたい。
そんな漠然とした思いではなく、自分は市の、県の教員の中で、どのくらい授業が上手い教員になりたいのか、という話なのです。実にシビアです。怖い目標です。