小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

学力テストを解く

今年も行われました、全国学力・学習状況調査、通称学力テスト。本校の児童も頑張って解いていました。

 

私もさっそく問題を入手して、解いてみました。

 

毎年思いますが、難しい!

 

特に国語のB問題は大人でも解けるかどうか。

 

教師としていつも気になるのは次の2点。

 

発達障害児は点がほとんど取れないだろう。

・教科書をなぞる授業では太刀打ちできないだろう。

 

国語のB問題はとにかく分量が多いんです。読まねばならない分量だけでなく、書かねばならない分量も多い。記述問題があまりに多いのです。普段から相当、書く力を意識して高めておかないと、時間内(40分)に最後の問題にまでたどり着くことすらできません。

 

しかもやっかいなことに、記述に関する条件が多すぎるのです。

 

例えば国語Bの大問1の3番。「インタビューの様子の内容をまとめて書きます。」という設問に関して。

 

条件が

・「あやとりコーナーに参加してよかったわ。」についての理由が分かる言葉を「話した内容」の中から「」を使って取り出すこと。

・「表情や声の調子」の中の内容を合わせて書くこと。

・一文で書くこと。

・書き出しの言葉が指定されていること。

・書き出しの言葉を含めて40字以上70字以内で書くこと。

 

どうですか?

普通の子はおろか、大人でもこれらの条件を満たした文章を時間内にいくつも解くのは厳しいと思います。まして発達障害の児童なら、なおさらです。

 

本人たちにしてみれば、たまったもんじゃないよなと思うのです。

 

話は変わりますが、こんな問題を解けるようにするには、どんな授業をすればよいのでしょうかね。

 

国語のB問題は、英語の学習で言えば、TOEIC的なんです。大学入試のような長文読解型ではない。あまり難しくない、分量が少なめの文章をいくつも読ませ、答えさせていくパターンです。登場人物の気持ちの変容なんて問われないし、説明文の文章構成を読み取く必要もない。

 

求められる力は

・情報過多の中から必要な情報を素早く見つけ、理解する力

・多くの条件を踏まえながら、文章を作る力

だと思います。

 

そしてこれらは算数B問題でも同じでしょう。ひらめきや直感と言った数学的センスを問う設問は皆無です。たくさんの情報から問題を解くために必要な情報だけを読み取り、確実に素早く解き、しかも簡潔に説明をする力が求められています。

 

教科書の文章を丁寧に何度も読み解き文章構成図に表す。キーワードと字数を指定して授業の振り返りを書く。この程度の授業をしていては、太刀打ちできないということです。求められている力ははるかに高度です。

 

たとえ学調が、現場の状況をいかに無視した悪問だらけのテストだとしても。