教員の残業時間を増やしているのは誰か

こちらの記事に関して、考えたことを。
headlines.yahoo.co.jp

 

実際は、残業が数時間で済んでいる人もいますし、逆に持ち帰りがあって、目に現れない残業をしている人もいます。ですが、日に3時間程度の残業は、やっぱり相当数いるな、と感じます。

 

もちろん、人数を増やすといった、根本的な改善はしてほしいのですが、それとは別に、教員自身が何とかできることもあるではないかと思って、筆をとりました。

 

まず、これだけ残業時間が多い理由のひとつは、「残業代が出ないから」だと思います。

 

残業代が出ると、管理職としてはあまり残業してほしくないから、早く教師を帰そうとするでしょう。でも、残業代が出ない以上、「早く帰りましょう」なんて熱意を込めて言いません。むしろ「頑張っているな」と捉えている管理職が多いように思います。そうではなく、残業代は出ない。どうあがいても今後出ることはない。だからこそ、残業は無駄である!という意識を高める必要があります。

 

さらに一般の教員の中でも、「定時に帰らずに、仕事を頑張ることは良いこと」という思い込みがあります。

 

本来は逆のはずです。「定時に帰れるのは、仕事が早く、優秀な人」です。が、それが「子供のため」という素晴らしい言葉があるせいか、教員の世界では「子供のために、無償でも働くことは尊いこと。」という理屈に変わります。「子供のため」ならばすべてを犠牲にして良いのか。そうではありません。定時以降は「子供のため」の時間ではなく、「自分や自分の家族の時間」です。子供のことを一生懸命に考えるのは定時までにしたいです。そして、その方がメリハリがついていると思うのです。

 

また、残業時間が多い理由として、「生産性の意識が低い」ことも挙げられるでしょう。

 

例えば学年の打ち合わせ。来週の予定や学年で共有しておきたい事柄を書いた紙を1枚、主任の先生が作成して、各学級の教員の机上に置いておけば、大抵の連絡事項は伝わります。わざわざ椅子に座って話し合う時間を取らないときや場合があっても良いはずです。にもかかわらず、「来週の予定はなんだっけ?」から始まり、「国語の次の単元は~だね。どうしようか、~しない?」とその場で考えていく。生産性が低い!

 

それに加えて、教員自ら、勤務時間外に仕事を入れています

 

本校では毎朝、7時50分から、「朝のスポーツタイム」を設けて、始業の8時10分までの20分間、運動場を子供たちが走ります。教員も走ります。何かあっては困るからです。もちろん、勤務時間外ですから校長から指示があったわけではありませんが、若手が外に出ずに職員室にいるわけにはいきません。論理よりも空気。正義よりも職場の常識。美しい日本の姿です。

 

この時間、もちろん、給料は出ません。完全なボランティアです。でも続きます。なぜかって?「子供の体力がつくから」「これまでもやってきたから」「登校してから始業までの時間がもったいないから」・・・。

 

確かに、やらないよりはやったほうがいいでしょう。たとえ、3度を下回る寒さの中であっても、走ることはきっと、心肺機能を高めるのでしょう。それでも、です。どんなにそれがプラスになっても、「勤務時間外に活動を入れること」は絶対にやってはいけないことだと思います。際限がなくなるからです。もっと言えば、誰が運動場を監督するのか。誰がラインを引くのか、という問題があります。答えは、全部、若手です。一番、授業や学級経営に力を入れるべき若手が、一番苦労をして割を食うのです。むちゃくちゃですよ、これは。

 

さて、先の記事では、多くの方々が教員の大変さに同情してくださっています。本当に本当に、ありがたいことです。世間には教員以上に大変な仕事につかれている方はたくさんいるにも関わらず、です。そのような優しい方々のためにも、我々教員はこれからも身を粉にして、頑張り続けねばなりません。ですが、一方で、教員は自分たちの首を自分たちで絞めないようにするべきです。そのために何ができるか、今一度、教員自身が考え直す必要があるではないでしょうか。