次の本を読みました。
語彙には2種類あります。
①理解語彙
②使用語彙
です。
本を読んで、「どうすれば子供の語彙力を高められるのか?」について考えました。
①理解語彙は、その名の通り理解している語彙です。②使用語彙は使っている語彙です。誰でも理解語彙の数の方が多いはずです。
本書では、そもそも語彙力を鍛えるには次の2つが条件とされています。
A 語句の量を増やす
B 文脈や話の流れの中で適切な語句を選ぶ
わりとBの視点は忘れがちですよね。
Aの指導はよくされます。しりとりや早口言葉といった言葉遊び、読書、辞書引き、視写、発表、音読、スピーチ、日記の紹介などなど。
一方でBの指導は難しいですね。B使用語彙を鍛えるにはアウトプットをするしかありません。アウトプットとは日記や発表、振り返りなど「書く」「話す」を指します。
その際に、光村図書の教科書の巻末についている「言葉のたから箱」を使ったり(今の気持ちを「言葉のたから箱」から見つけよう…など)、今日の振り返りは「つまり」を使って書くように促したりすることは有効でしょう。
いろいろ調べていて、なるほど!と思ったこととして、使用語彙と理解語彙の間に、「表現準備語彙」というのがあることです。
(https://www.hiroshima-c.ed.jp/pdf/research/chouken/R02_kouki/kou02.pdf)
意味は分かる・使い方も分かる・でも積極的に使っていない。それが表現準備語彙。
ただ、教師が子供にとっての「表現準備語彙」が何かを把握しなければなりません。それは現場で子供と向き合っている教師が肌感覚で分かるものなのだと思います。例えば学級目標で「協力」という言葉を使っているとしましょう。低学年の子供の中には、「協力」の意味は何となく知っていても、具体的場面で使っていることはないかもしれません。そこで日記に「学級目標についてできていることは何かを書いておいで」と声掛けをしたらどうでしょうか。「協力」という言葉を使うだけでなく、運動会で応援を一生懸命にしていたり、班で話合いをしたりといった具体的な場面で「協力」を見つけようとするでしょう。そうすると、「表現準備語彙」が「使用語彙」に変わっていくはずです。
現行の学習指導要領では語彙の指導の充実がうたわれています。上記の視点をもって語彙指導を工夫していきたいものです。