小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

教員採用の志願者を増やすべきか、質を高めるべきか。

教員志願者が減っているそうです。教員の質が低下するのではないかと恐れる人がいますね。教員採用倍率が3倍を切ると、質の低下の危険があると聞いたことがあります。

 

ただ、倍率については、そろそろ再び上昇すると思っています。なぜなら団塊の世代の退職が落ち着くからです。志願者の減り以上に、採用枠が減っていくのです。

 

それでも、このままでは志願者自体は減り続けると思います。少子化により大学への入学者が今後も減っていくだろうからです。教員への魅力うんぬんではなく、志願者年代の人数が減るからです。ただ、これらはあくまで私の予想です。

 

では、志願者をどうすれば増やせるのか。簡単な方法として「教員免許について制限を緩くする」ことがあります。最近、教員免許を持たずとも、社会人経験があればOKとする自治体もあるそうですね。

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記事は高校や中学の事例ですが、小学校でも今後広がるかもしれません。

 

このようなことをすれば、教員の志願者は増えるでしょう。門戸を広げることで、その中から優秀な人を探すという策ですね。タイトルの「教員採用の量を増やす」とはこれに当たります。

 

もう1つ、考え方があります。それは「志願者の数が減るのは仕方がない、むしろ採用した人の質を高めるべきだ」とする考え方です。

 

各種研修(初任者研修や中堅研修)やOJTの充実が定番ですね。

 

こういった問題は二項対立ではなく、どちらも重要なのは言うまでもありません。

 

ただ、個人的には後者の「質を高める」方を推します。

 

志願者がいくら増えても、仕方がないと思うからです。その理由は以下の通り。

 

①採用試験そのものがいい加減。

 私の県は採用試験が2次試験までしかありません。1次は筆記、2次が集団面接と個人面接です。たった2回の試験でよく適性が分かるものだと感心します。しかも面接官はだいたい管理職と教育委員会です。一番現場で子供と関わっている「学級担任」を入れずしてどうするのだと私は思います。

 

②どれだけ志願者が増えても一定数、変な人はいる

 人気企業ランキングの上位企業に、変な人はいないのでしょうか? ここで言う変な人とは、不祥事を起こしたり、そこまではいかなくても職場を乱したり顧客からクレームを常時つけられたりする「仕事のできない人」です。いやいや、どの職場でもきっといるはずです。門戸をいくら広げても、それがイコール質の向上にはつながらないのではないでしょうか。

 

③志願者を増やすと質が下がるかもしれない。

 昔「でもしか教師」という言葉がはやったそうです。「教師でもなるか」「教師にしかなれない」です。教員免許がいらなくなれば、そういった人が増える可能性はあります。門戸を広げることは、やはり志願者の質を高めることにつながるとは限りません。

 

むしろ「採用した人の質を高める」方が、取り組みやすいでしょう。

 

簡単に言えば「研修をもっと現場で役立つものにする」ことです。

 

「生産性」(伊賀康代)にも書かれている通り、講演会のような明日使えるかわからない知識を得る研修ではなく、「ロールプレイ研修」を中心に据えればいいと思います。

・保護者がクレームを言ってきたとき、どうするか?

・給食中に吐いてしまった子がいたら、どうするか?

・新出漢字の教え方は?

・上靴がなくなったと言ってきた子に何と返すか?

などなど。

 

あと、できれば「あまりにこの人はどうなの?」という人をどうにかするシステムもあるといいですね。