子育てをして、初めて知ったことがあります。親と子の1対1の関係だと意外と伸ばせないということです。
例えば公園で雲梯をしたとします。やり方を教えたり、体を支えたりはできます。しかし我が子はすぐに
「もうやらない」
と言い出します。
ですが面白いことに、もう一人の兄弟が雲梯を始めると、またやりだすのです。
子供でも、誰かがしていると気になるもの。
2人であっても兄弟という集団の力がはたらいたことで、雲梯に興味を抱いたわけです。
学校にいると、同じことがよくあります。
子供たちは思います。
A君のように計算を素早く解けるようになりたい!
Bさんのように大きな声で発表ができるようになりたい!
教師も言います。
Cさんのように姿勢よくしましょう。
Dさんのようにほうきを正しく使いましょう。
つまり集団の力とは、モデリングです。真似をすることです。
人は必ず自分と他者を比べます。集団の力は、自然に子供たちに自分と他人を比べさせるはたらきをもちます。
このはたらきを生かして、学級はつくられます。
特に通常学級では、です。
通常学級で「全員立ちましょう!」と言われて、一人だけ座っていたら目立ちます。
ですが特別支援学級は少人数ですので、意外と集団の力がはたらきにくく、座っていても意外と目立ちません。(本人の特性もありますが)みんながしているから、自分もしようとはなりにくい場です。
この集団の力を上手に使いながら、教師は学級づくりをしていきます。
「Aさんのように動いてごらん」
と声掛けをしたり
「Bさんはノートに10行も書けているね!」
と褒めて、みんなにはっぱをかけたりします。
集団の力を巧みに使える先生は、学級経営が上手です。
ですが、当然、集団の力には副作用があります。
同調圧力になりかねないのです。
「みんなしているよ」は、個々の子供によくも悪くも影響を与えるからです。
これはよくわかりますよね。
「みんなは上手に跳び箱ができていてすごいな。」
の後、
「よし!自分ももっと頑張ろう!!!」
となる子ばかりではないのが現実です。
「跳び箱嫌だから、跳び箱の授業がある日は学校を休もう」
となる子が増えている時代です。
集団の力の副作用を意識していないと、学級担任を務めにくい時代とも言えます。
巧みな先生は集団の力を生かしながらも、個々の配慮を忘れません。
跳び箱ならば、全員が一律同じ段数を跳べる必要はなく、いろいろな段数の跳び箱を用意したり、柔らかい素材でできた跳び箱を使って指導したりします。また、段数の多い少ないではなく、着手から空中姿勢の様子・着地の仕方などを評価する旨を子供に伝えることもします。
つまり巧みな先生であればあるほど、
集団の力を利用しながらも、その怖さを自覚して学級を経営しているのです。
先生方のタイプはこの点で結構分かれます。
1 集団の力を上手に利用し、個々への配慮を忘れない(優秀な先生)
2 集団の力を上手に利用しているが、個々への配慮は不十分(圧の強い先生)
→不登校児童生徒を発生させやすい
3 集団の力はいまいち利用できないが、個々への配慮は十分(優しいけど…な先生)
→学級崩壊させることもある。
4 集団の力も利用できないし、個々への配慮も不十分(たまーにいる)
→管理職が困るタイプ
このテーマは考えていくとおもしろいので、またどこかで続きを書くかもしれません。とりあえず今回はこのあたりで。
