算数は恐ろしい教科だと思います。
突然ですが小学3年生が習う算数の単元を書きました。
3けたのたし算とひき算、かけ算の筆算、長さ(kmを使って計算)、重さ(はかり初登場!)、大きな数、小数第一位までのたし算・ひき算、分数のたし算ひき算、わり算、あまりのあるわり算、時間と時刻、円と球(コンパス初登場!)、表とグラフ、三角形(二等辺三角形と正三角形の作図)、□を使った式…
お分かりでしょうか。どれをとっても、おざなりに済ませられるものがないのです。無論、他の教科だってきちんとやらなければいけませんよ。でも、国語の「要点」の学習は4年でも勉強しますし、理科の風とゴムのはたらき(そういう単元があるのです!)で多少うまく実験器具が作れなくてもなんとかなります。
でも!コンパスを使えないまま4年生になったら完全にアウトというのは自明すぎますよね。
そして、これができないとアウト!というのが算数の場合はほとんど全部の単元で当てはまります。3年に限らず、です。積み重ねの学問。積木細工でお城を立てるのと一緒です。
一切気が抜けない。しかし!!子供はその事実にまるで気付いていません。
恐ろしさの本質はここにあると思います。
どの教科も懸命に学習する。子供の純粋で素晴らしいところです。でも、大人が同じ気持ちでいてはいけないと思います。特に算数は他教科以上に、できれば早急に手を打っていかねばならない教科です。
以下、余談。私は小学校の教科が等しく大事とは思っていません。超大事な教科とすごーく大事な教科と、大事な教科に分かれていると思っています。超大事なのは国語で、すごーくは算数です。
閑話休題。
問題は、どのように手を打っていくか。まず教師がすべきは第一に授業の改善、第二にノート指導(授業の改善に入るか?)、第三に宿題の厳しいチェック、第四に徹底したテスト直し、かなと思っています。
ノート指導は大切ではないでしょうか。東大生のノートを持ち出すまでもなく、算数のノートが美しい子はやはり、算数ができます。そもそも算数(数学)は美しいものですから、美的センスを磨くことは大切でしょう。
第三、第四は難しいですね。意外とできません。しかし、このような詰めの部分をどれだけできるかが、クラス全員を救えるかどうかに繋がる気がします。
では、家庭でできることは何でしょうか。えらそーに書いてみます。
私は算数のセンスを磨くことと宿題を一緒にやってみることの2点だと思います。特に前者を学校で鍛えるのは厳しい。
よく言われる話をします。
買い物に子供と一緒に出掛けるとしましょう。280円と190円の豚肉のパックを買います。その時に子供に「2つ合わせても500円には届きそうにないねえ。」と言う。別のパックを手に取り、「こっちは340円と250円だってさ。500円いっちゃうね。」と言う。これを直感的に理解するのが算数のセンスではないでしょうか。はじめはもちろん、解説をしてあげても良いでしょう。こういったことをさりげなく会話に混ぜることで、数字に触れさせるのです。
あるいは、リンゴを切るときに断面を見せてやる。公園に行って桜を見つけたときに「あの桜を下から見たらきれいだろうなー。」と言う。豆腐を3等分するときに「どこで切ればいい?」と尋ねる。イメージをさせるのです。
野球の試合を見に行ったときに、人数について話すのもいいでしょう。「この球場には今、2万人がいるみたいよ。」と言う。大きな数はつかみにくいので、折に触れて、体感させたいですね。
結局、どれだけ教師は普段から授業を改善し、親は子供と会話をしているのか、の勝負になる気がします。算数センスを鍛えつつ、反復復習を確実にしていくのが王道ですね。