小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

教員の仕事は不文律が多い

不文律とは、暗黙のルールのこと。

 

教員の仕事は不文律が多いと思います。

 

教員の仕事の本丸は授業でしょうが、授業1つとってもマニュアル化はされません。子供のトラブル対応も、何となくのパターンはありますが、これまたマニュアルはありません。

 

人間関係なのだから当たり前かもしれません。しかし、ある程度の法則性はあります。せめて、「よく見かけるパターン」や「こうするとうまくいく流れ」のようなものはほしいところです。例えば子供のけんかの裁き方など。手引書と言っても良いのかもしれませんね。

 

ただ、手引書もいったいどこまで作ればいいのか分かりません。

 

授業や生徒指導、けがへの対応は作るべきかもしれませんが、教員の仕事はそれ以外にも膨大にあります。

 

例えば、先日の私の1日の業務内で「これは不文律だなと思ったこと」と言えば

・テストの返却の仕方(そもそも、いつテストを返すべきか、どのように返すのが良いか、返却後はどう指導するのか、再提出はさせるのかどうか等々)

・朝、登校が遅い子への対応(いつ、迎えに行くのか、いつ電話をするべきか、登校してきた瞬間に何と声を掛けるか)

・体育着を忘れた子への対応

 

他にも、掃除や給食の指導、休み時間に廊下を走る子への指導、下校したときにいつまでも残っている子供への声掛け、カーテンの取り外し、トイレの清掃、ワックスがけ、教室に転がっていた鉛筆の処理の仕方などもあります。

 

これらの全てをマニュアル化することはできません。マニュアル化しても、読む暇もありません。

 

結果的に、OJTという名のもと、「なんとなく」教員の仕事が進んでいくわけです。

 

なぜでしょう?

 

教員の仕事が極めて薄く広いからです。

 

掃除用具の入れ替えから、子供のトイレの失敗への対応まで、本当に様々です。

しかし一つ一つの事象を見れば、そこまで専門性はいらないものばかりです。カーテンの取り換えも、子供の転んだときの対応も、特段難しいスキルはいりません。

 

ただ、どれもちょっとしたコツは必要です。

そのコツが明文化されていないところが難しいところです。

 

さて、この先、教員の仕事はマニュアル化されるか?

 

確かに生成AIは登場しましたが、完全なマニュアル化は厳しいでしょう。

 

対人間というのは予測不可能な仕事ですからね。どこで子供がトラブルを起こすのかは、その子次第です。

 

この「不文律な文化」で困るのは誰でしょう?

 

それは新しく入ってきた人です。

 

今、どの学校にも若手がたくさんいます。若手にとっては、分かりにくい職場でしょう。

 

それだけではありません。

今後は地域の人材を活用しようという流れになっています。正規の教員以外の人も学校に入ってきます。そのときに明文化されていない学校文化(しかもその学校にだけ通用するもの)に、きっと入ってきた人は戸惑うはず。

 

そういった「不文律な文化」にうまく対応できる人は学校に残るでしょうが、対応できない人は学校から去って行ってしまいます。

 

どうすればいいのでしょう?

 

やはり学校の仕事を、しっかりと分けることが大事だと思います。

 

教師の仕事は「授業と生徒指導と保護者対応」にする。

事務的なサポート役として職員を募集して、印刷業務や給食代金の聴衆はその方々に任せる。

虐待児への対応はスクールソーシャルワーカーに任せる。

 

人が足りない?

 

それなら授業をオンデマンドにしましょう。教育のDX化とは、仕事のDX化です。もっともっと生産性を高めて、人が残りやすい職場にするべきだと思います。