小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

学校教育はここから10年で崩れる

コロナ禍を経て、学校教育は大きく変わりました。この間、学習指導要領や生徒指導提要の

改訂もありました。

 

学校現場で、何が大きく変わったのかというと、次のような点が挙げられます。

・学校の価値が絶対でなくなった。

不登校児童生徒の数が急増した。

不登校に対する世間の認識が、「不登校=問題」から「不登校=仕方がないor子供に合わせられない学校が問題」に変わった。

・教師も、無理に登校刺激をしないようになった。

・保護者の意向をより尊重するようになった。

・子供の権利がより保障されるようになった。

体罰、暴言をともなう指導は絶対的に不可能になった。

・体に触れる指導も不可能になった。

・各種行事が縮小された。

発達障害ではないかと疑われる子が増えた。

・学校現場の人手不足が深刻化した。欠員がいる学校が増えた。

 

 

あまり明るい面はありません。

 

しかし私は「学校教育はここから10年で一気に崩れる」と思っています。

 

一応、ぎりぎり耐えているのが現在です。

 

この先10年間で学校現場で起きると予想できることを挙げてみます。

少子化の一層の進行。

・小規模校の統廃合

・教員の数の減少

・採用倍率の上昇(そろそろ団塊世代の大量退職が終わるため、新規採用が絞られ始めるだろう)

・それでも人手不足は変わらない

特別支援学級の増加

不登校児童生徒の高止まり(そろそろ頭打ちの気もする。直近の私の市のデータでは、不登校児童生徒数が頭打ちだそう)

 

なぜでしょうか? 理由は大きく分けて3つあると思います。

 

少子化の一層の進行

 

少子化が加速するほど、大変な世の中でも頑張って産んだ我が子を大事に大事にしようとする親が増えます。特に一人っ子では。

 

我が子を大事にするのは結構なことですが、「うちの子が悪いことをするはずはない」や「○○くんにいじめられていると言っている。なんとかしろ!」と事実を確認するまでもなく、子供の言うことを真に受けてしまう親もいます。

 

蝶よ花よと育てられた子供はわがままになっていくでしょう。

 

②社会の認識の変化

 

多様性の時代です。配慮や特性という言葉をよく聞くようになりました。行き過ぎた個人主義とも言えます。

 

ひるがえって学校は集団生活の場です。ときには(というか、たいていの場合は)自分のしたいことを押し殺す場面も出てきます。この先、それでも自分勝手にする子供が増えるでしょう。なぜなら多様性の時代だから。

 

最近、「うちの子は特性があるのだから、周りの子たちに配慮してほしい」と平気な顔をして言ってくる親が増えました。授業中に大声を出したり、パニックになったり、人の物を勝手に取ったりする子の親が、です。困ったものです。

 

親の子供への考え方も変わってきています。公園に行って、親が子供を叱る姿を見ることが減ってきたように思います。子供のことを「○○ちゃん」や「○○くん」と呼ぶ親も増えました(小学生になってもそう言っている)。この点については良いことかどうかは分かりません。が、叱られる経験の不足は間違いなくあるでしょうし、強い指導は厳禁な時代になってきました。

 

新型コロナウイルスを経験した世代が親になる

 

新型コロナウイルスが流行し始めて5年目となりました。

 

新型コロナウイルスが流行し始めたとき、学校では多くの行事がなくなり、子供同士の交流が一気に減りました。その影響を受けたせいか、ウイルス流行後に入学してきた小学生は、何となくコミュニケーション能力に欠ける…すなわち対人トラブルが多くなったように思います。文科省調査でも、小中ともに暴力行為が増えてきています。

 

ポイントは、この先新型コロナウイルスの流行を真正面から受けた世代が、親になっていくということです。そしてそれは、案外遠くない未来だということです。

 

新型コロナウイルスが流行し始めて5年と書きましたが、当時小学校高学年だった子供たちはそろそろ中学を卒業します。早い(?)子供は親になる頃です。とすると、あと数年で小学校に入学してきます。

 

新型コロナウイルスによって、コミュニケーションスキルが充分に培われなかった世代の子供ですから、きっと大変な子供たちなのでしょう。

 

というわけで、この先10年間で、学校現場は一気に崩れる…という予測でした。