小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

公立学校を選ばない人たち

私が勤務している学校は、小学校と中学校が隣にあります。各学年5学級の、比較的大きい学校です。小学生が中学に上がるとき、他の小学校と合わさることはありません。つまり私が勤務する小学校の子供たちのみが、隣の中学校にいくわけです。田舎ですので、私学の数は少ないため、ほぼ全員が地元の中学に行きます。

 

良いところは、互いに気心の知れたメンバーで中学まで過ごせることです。そのせいか、他の中学に比べると落ち着いている印象を受けます。

 

ただ、他の子供と中学入学時点で混ざらないため、高校入学のときに大きなカルチャーショックを受ける恐れがあります。何かデータがあるわけではないのですが、小中が混ざらない学校に通っていた生徒は、高校中退の割合が高いと聞いたことがあります。本当かなあ?と思いつつも、肌感覚としては納得してしまいます。たしかに中退者は多い…。

 

そのため最近、本校ではあえて隣の中学に入学するのではなく、私学に入る子が増えているようです。落ち着いているのだからそのまま進めばいいのにーと思うんですがね。

 

さて、ここで私の前任校の話をします。こちらも最近、中学で私学に入る子が増えてきました。理由は、私の今いる学校とは打って変わって、「小学校も中学校も落ち着いていないから」です。落ち着いていないのは、そういう地域だからです。生活保護を受けている家庭が他の地区よりも圧倒的に多かった学校でした。そのため学習に意識が向くどころか、基本的な生活習慣や社会性も身に付いていない子供が多数いました。親も親なので、「○○さんが、はさみで人を刺してしまったんですよ。だからコンパスやのこぎりを使う授業をするときは、危険ですので学校に来て、見ていてくださいませんか?」とお願いをしても「仕事があるから無理です。」で終了です。

 

このような学校にいるメリットは何でしょうか?

 

私は「世の中にはいろいろな人がいるな。」と知り、「いろいろな人」との付き合い方を学べることだと思っていました。過去形にしたのはわけがあります。なぜなら「人に迷惑をかけまくるような子と一緒にいるのは、せいぜい1年が限界」だと思ってきたからです。

 

考えてみてもください。授業中、ずっと大声を出したり、机をばんばん叩いたりするような子が学級にいる教室に、我が子を預けたいですか? 我が子の学習は阻害されるわけです。まあ、せいぜい1年間は我慢できるかもしれませんが、2年、3年も続いたら、さすがに困ります。

 

必要最小限のルール、つまり「人に迷惑をかけない」ことができない子が一定数以上いる学校からは、やはり人は離れていくでしょう。それも、しっかりとした家庭の子供から離れていきます。かくしてその地元の中学校は、ますます荒れていくわけです。