「いい授業がしたい」と願い続けて数年。教師修業を少しずつですが重ねてきて分かったことがあります。
それは「授業力を向上させるためには、人に見てもらうのが一番手っ取り早い」ということです。
なお、今の自分の授業力が高いとは決して言えません。昔と比べて、という意味です。授業を見て頂くと、だいたい、けちょんけちょんに言われます。
さて、今日は授業を人に見てもらうための具体的方法とメリットを書きます。
〇具体的方法
まず、「誰に見てもらうか?」です。
結論から言うと、誰でもいいと思います。が、最も簡単なのが校長先生ですね。(不遜な言い方でごめんなさい)校内で一番時間がある(?)ように感じますし。教頭先生は忙しそう。他の先生は授業を持っていたり担任をしていたりするので、やはり難しいと思います。
本校の校長先生はすこぶるいい方で、お願いをするといつも見に来てくださいます。
でも学年の先生への根回しは必須です。下手をすると「管理職にアピールしている」と言われます。(そう考えると本当は学年主任の先生がベストなのです。)
次に、「いつ見てもらうか?」です。
簡単な方法は見てもらう人、例えば校長先生に「毎週〇曜日の〇時間目に見てください」とお願いするのです。
そうすると、週に1回は授業を人に見せることになります。初任者研修と同じですね。毎回お願いに伺う必要がなくなりますので楽です。頃合いを見計らって、「授業を見て頂けませんか?」とお願いにあがるのは精神的にも結構大変です。校長先生ではない場合、その先生の空き時間も考えながらだと、より一層です。
週に1回見てもらうと決めると、年間30回は確保できます。まあ、4月~5月はさすがに忙しすぎるので厳しいですが。
今年度は数えたら21回見て頂いていました。主に校長先生に見て頂いていますが、教頭先生や教務の先生、級外の先生、学年の先生にも、ときどき見て頂いています。また、単元を通して見てもらうこともあり、そうするともっと回数が増えるためおすすめです。
いや、数を増やせばいいってもんじゃないでしょと思われるかもしれませんが、大切なのは、人に見せることのメリットです。
〇メリット
人に授業を見せる最大のメリットは、「見せる前」「見せながら」「見せた後」という3つの時間を使い、半強制的に学びができることです。
まず、授業を「見せる前」。
人に授業を見せるとなると、平凡な授業をするわけにはいかなくなります。日常の普段着の授業を見せる場合もありますが、いろいろと先行実践を調べます。赤刷り・指導書はもちろんのこと、手元にある教育書、インターネットを通じて調べていきます。これが非常に勉強になります。そして調べたことを基に指導案を書きます。教材を分析し、授業案に落とし込むのですね。授業を構想する力が身に付きます。
次に、授業を「見せながら」。
人が見ているわけですから、いつも以上に頭がスパークします。その中で「次、誰を指名するか」「どう対応するか」「どう板書するか」などを瞬時に考えます。普段の(手を抜いたような)授業とは雲泥の差です。やはり人は人に見られているからこそ一生懸命になるのではないでしょうか。愛知教育大の鈴木健二先生が仰る「授業展開力」はここで育まれると思います。
最後に、授業を「見せた後」。
見て頂いた先生と、少しの時間でいいから、授業を振り返ります。その際、私は必ず板書写真を印刷して臨むようにしています。この時間が勉強になるのは言うに及ばず。
これらを毎回行えば、そりゃあ授業力は向上すると思いませんか。
もちろん、大切なのは目的意識です。だからこそ、いい授業の定義を自分なりに言語化し、それが達成できたか否かを省察する。さらに、いい授業をすることで、どんな子供の姿を期待するのか?を考える。ここまですればなかなか良いかな~と思います。加えて、年に1~2回、校内研修で中心授業を行えば、なお良いと考えています。(今年度、本校はコロナの影響で校内研修が全てなくなってしまいましたが。)
それでも、なかなかなかなか授業がうまくならないので、やはり授業は難しいな~と悩む日々です。「いい授業だった!」と思えたのは、…今年度あったかなあというレベル。
今年の初詣でも「授業がうまくなりますように」と願った私でした。