魔の2月という言葉があります。
私の勤める学校でも様々なクラスで問題が起こっています。万引きやいじめ、不登校、ケガ…中でも学級崩壊をしてしまったクラスへの対応が急務です。
このとき、気をつけなければならないことは何でしょうか。
子供への指導? 保護者への説明の仕方? 私が考える答えは違います。
それは「学級崩壊してしまったクラスの先生への対応」です。
学級崩壊をさせてしまったら、その先生の自己肯定感は地に落ちます。そこに新採もベテランも関係ないと思います。「自分はダメな教師だ」と何度も思うことでしょう。
上越教育大の赤坂真二先生が次のようにおっしゃっていたことがあります。
「学級崩壊をさせてしまった先生も、子供からの攻撃にはほとんどの場合、耐えられるんです。そんな先生たちがなぜ辞めてしまったり、休職に追い込まれてしまったりするのか。それは、職員室にいる周りの先生たちの目線が気になるからなんです。目線が気になりだすと、そうすると周りの先生たちのアドバイスを素直に受け入れられなくなる」
「だからこそ学校を何とかしたいのならば、職員室づくりを意識する必要があるんです」
「子供のやる気は子供同士の信頼関係に支えられます。子供同士の信頼関係は子供と教師の信頼関係に支えられます。そして子供と教師の信頼関係は教師と教師の信頼関係に支えられます」
「子供たちが荒れていても、職員室が一致団結していれば、荒れは早期に収まりやすいんです。でも職員室の空気が悪いと荒れはいつまでたっても収まらないんです」
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魔の2月にできること。
とりわけ周りの先生ができること。
それはその渦中にいる先生を叱咤することでも過度なアドバイスをすることでもないのでしょう。もしかすると子供の指導でもないのかもしれません。大切なことはその先生への温かな励ましや労いなのでしょう。
できていなければ挨拶だけでもいいのです。それが職場を作るということなのだと思います。
今年度も残りわずか。子供も先生も全員が最後を同じメンバーで迎えられることを祈って。