小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

勝負は10月

学級担任をしていて、子供が荒れやすい時期を「魔の○○」と言います。6月・11月・2月の3回あると言われます。

 

どれも、ちょうど学期の真ん中でだらけやすく、目標を見失いがちになることで起こる現象とされます。

 

今まで自分のクラスを振り返っても、他のクラスの状況を見ても、その1年間の成否を決めるのは10月の1か月だなと感じます。

 

あるクラスはそのまま成長して自治的な集団になる一方で、魔の11月を迎えトラブル対応に追われて年越し…というクラスもあります。前者を「成功したクラス」、後者を「残念なクラス」と呼んだとすると、その分水嶺は10月にあると思います。

 

9月までは、どのクラスも規律をしっかり教えようとするためか、教師主導でクラス経営をしているからか、そうクラスの質に違いはありません。しかし秋ごろになると、だんだんとクラスの人間関係や担任と子供の関係が固まってきます。夏までに培った基礎の差が爆発的に目に見えるようになるのが10月です。

 

では、「成功するクラス」に向けて10月にすべきこととは何でしょうか。

 

それは「子供と子供のつながりを増やすこと」です。

 

先ほどちらっと書きましたが、最初のうちは教師が主導して授業も行事も進めがちです。QUで有名は早稲田大の河村茂雄先生は年度初めを、「混沌緊張期」と呼んでいます。この時期に子供が中心になって、話し合いをしたり、行事を進行したりすることは結構大変です。

 

ですが、もう10月です。いまだに「混沌緊張期」と同様の、教師主導型の活動をし続けているとどうなるか。高学年ならば反発があり得ます。低中学年も、エネルギーを発散させたくなるでしょう。

 

しかし教師主導型の最大の問題点は、子供同士がつながらず、教師と子供としかつながっていないことです。そうすると、子供はいつまでたっても教師に依存した状態から抜け出せません。トラブルがあったら子供同士で解決することができず、すぐに先生頼り。自立とはほど遠い状況が続きます。

 

では、具体的に10月にしておくと良いことは何でしょうか?

 

それは例えば以下のようなことです。どれも子供同士の関りが生まれます。

 

・学級目標を達成する方法を子供たちで考えさせる。(司会は学級委員)

・ペアトークやグループでの活動を増やす。(ときどきペアやグループのメンバーを変えるとなお良い)

・会社活動を始める。

・月1回ほどお楽しみ会(レクリエーション大会でも良い)を行う。

・今のクラスの課題を見つけさせ、その解決策を考えさせる。

・班対抗のゲームを行う。(何でも良い。ホワイトボードに答えを書くだけでも盛り上がる)

 

ただ、気を付けるべきことがあります。それは、子供同士のつながりを増やすと、一時的にトラブルは増えるということです。これは仕方のないことです。マラソンでも最後の10キロぐらいが一番大変と言われるのと一緒です。つらいシーズンを抜ければ、クラスの大きな成長が待っています。