小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

結局お金を持ってくるしかない

先日、熊本市教育長の遠藤洋路氏の『みんなの「今」を幸せにする学校』を読みました。

 

氏は、よくある小中学校の校長→教育長という流れではなく、中央省庁出身の元役人です。さすがにお金の流れがよく分かっていらっしゃるし、読んでいて氏の頭の回転の速さが伝わってきました。

 

心情的には反対ですが、現実的にはそうせざるを得ないかなという点が1つ。それは「学校に福祉機能を備えるべき」という主張です。例えば、「福祉機能を備えた学校」が行き着く先は、貧困な家庭に食事のサービスをしたり、不登校の子供向けのフリースクール的教室を配備したりするということ(だと解釈しました)。

 

となると教員の仕事も、「授業をすること」や「学級経営をすること」ではなく、「援助を必要としている子供を見つけ出し、必要な援助をするor援助につなげること」になるのかなあと。

 

でも、それって教員志望の人はもっと減るんじゃないかな~と思いますね。

 

教員にしても、ただ子供と関わるのが好きなのではなく、「授業が楽しい」や「学級が成長していくのが面白い」という人もいるわけですし。そういった「熱意のある人」がこれからはどんどん減るのだと感じます。なぜなら、社会が必要としているのは「授業が楽しい」や「学級が成長していくのが面白い」と考えている教員ではなく、福祉機能を求める子供を助ける教員なのだから。

 

一方で、「まあ、それが社会の要請なのだとしたら、仕方ない。時代とともに仕事が変化するのは世の習いだよね・・・。」と考える教員が多数かなとも思います。しかし、「福祉機能を備えた学校」の最大の難点は、「そんなお金はどこから出てくるのですか?」ということ。

 

最近は「子供食堂」や「朝からやっている児童クラブ」が出てくるなど、行政のサポートが充実してきてはいますが、本気で子供の福祉機能の中心を学校に据えるなら、もっと学校or教育に予算をかけるしかないですね。今は学校の教員に仕事を任せすぎです。

 

例えば、私は生徒指導主任をしているのですが、今年度からなんと、ヤングケアラーの調査が始まりました。そんなの学校の教員の仕事じゃないだろ!!!と300回ぐらい思います。ドクターXではないですが、「教員免許のいらない仕事はしません」と言いたいものです。

 

閑話休題。遠藤氏の主張に対し、私のポジションは「仕方なしの賛成」というところ。しかしながら、「福祉機能を備えた学校」をつくりたいのならば、せめて教育予算は今の倍は欲しいよねと思います。防衛費も大切ですが。(本当、プーチンペロシも余計なことをするなあ)