小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

筑波大附属小公開研究会2023.2月感想

コロナ直前の3年前は対面実施でした。全国一斉休校の前で、今思うとぎりぎりでしたね。懐かしい。今回は3年ぶりの対面での公開研究会でしたが、私はzoomで参加しました。

 

どの授業・発表も非常に勉強になりました。さすが筑波の授業で、工夫が凝らされていました。

 

が、一方で「今の学校現場の課題の解決策は筑波にはないな」とも思いました。

 

筑波の先生方やその授業群を否定するつもりはありません。素晴らしい御実践の数々に舌を巻いたのは事実です。

 

が、しかし。

 

今の学校現場の課題とは何でしょうか? いい授業をすること? もちろんそれは教員なら追い求めるべき課題です。ですが今の学校現場の課題はそれ以前にあります。

 

不登校の児童生徒数は過去最多を更新しました。いじめや問題行動は特に小学校で大変なことになっています。特別支援学級や通級指導教室の開設も増加の一途をたどっています。福祉の手が必要な家庭も数多くあります。児童相談所の職員は全く足りていないと言われています。相変わらず続く教員採用試験の低倍率に、若手を中心に起こる学級崩壊の数々。さて、いい授業を目指す余裕はどこにあるのでしょうか? 筑波の先生方の実践を参考にして、自らの学級でもやってみよう!と思ったとき、さてさて、自分の名前も漢字で書けない目の前の子供をどうするのでしょうか?

 

今の学校現場に必要なのは何か。それは教員目線で言えば

 

1 いい授業を目指すのではなく、どの子もそれなりに満足する授業を目指す

2 不登校を出さないため、徹底的に予防線を張り巡らせる

3 保護者との関係をとにかく良くする

4 特別支援教育は明日から使えるので特に重点的に勉強する

5 華々しい学級を目指さず、「カナリアの声」を聴くこと。(いろいろな意味で声の小さい子供の比喩)

だと思います。

 

いやいや、いい授業をすることが予防になるんだよ!と仰る方もいると思います。ですが私は今回も筑波で授業中に寝ている児童を見ました。それに、いい授業をするためにいったいどれほどのものを犠牲にするのかと問いたいのです。いい授業をできるようになるには、数多くの本を読む必要があるし、たくさん研究授業もしなければいけないでしょうし、休日に身銭を切って学ぶ必要もあります。そこまでして出来上がった「いい授業」の前に、救われなかった多くの子供がいないでしょうか。

 

研究会に参加しておいて言うのもなんですが、現代の教師が学ぶべき事柄は、果たして本当に授業研究なのでしょうか?

 

そんな思いに駆られた公開研究会でした。(いや、繰り返しますが、筑波の実践を否定するつもりはないのですよ。素晴らしかったですし。でも自分の学校の先生方の誰ができるのかな・・・と)