昨年度の私の学級には、パニックを起こし、暴力を振るう子がいました。
今年度の私の学級には、暴言を繰り返し吐く子が複数います。
どっちもどっちですね。
さて、そのような大変な子供たちに対して、学校が取れる手立ては何でしょうか。
特別支援の本を読むと、様々なことが書かれています。
・愛着がしっかりと形成されていないのだから、まずは教師がそうした子供の安全基地になるべきだ。
・環境調整をする必要がある。教室の構造化をし、授業をシンプルにした方がいい。
・コグトレをするといい。
・そういう子供は保護者の養育環境にも問題がある。SSWとの連携が必須だ。
・通級指導教室につなげるべき。
・ABAの考え方でいこう。問題が起こる前の手立てと、問題が起こった後の手立てを分けて考えてみるべきだ。
などなど。
百花繚乱という感じで、どれも勉強になりますよね。やってみる価値はありますし、実際に手ごたえがあったものも多かったです。
しかしですね。
「暴言を吐き、暴力を振るう子」というのは、一朝一夕には改善しません。たいていの場合は、もう数年間暴言を吐き続け、暴力を振るい続けてきた子なのです。
で、なかなか改善しない子供の対応にへとへとになる教師…という絵が全国のあちこちで見られるわけです。
正直なことを言えば、私は、こうした大変な子供への対応は、上記のような「太陽」的な対応と同時に、「北風」的な対応も必要だと思っています。極論を言えば、「出席停止」という措置も、これからの時代、積極的に取っていくべきだと考えています。ちなみに、昨年度の文科省のデータですが、小学校で出席停止になった事例は1件のみです。https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf
ただ、今回の記事では、そこにはあまり触れません。それよりも大事なことがあります。
それは「しっかりと真面目に頑張っている子を認めよう」ということです。
どんなに大変な学級であっても、真面目に頑張っている子はいます。むしろそのような子の方が多いでしょう。
ですが、とかく教師という大人は、大変な子供に目がいってしまいがちです。それ自体は間違いではないのでしょうが、私は「真面目に頑張っている子」にも、もっともっとスポットライトを当てましょうと言いたいのです。
掃除の時間や授業中に「頑張っているね」と声を掛けるだけでもいいと思います。「真面目に頑張っている子」というのは、意外と気づかれにくいため、そうした声掛けすらしてもらえていないケースが多いのではないでしょうか。
あるいは朝の時間や帰りの会の裏などの隙間時間を見つけて、そうした真面目な子を呼んで褒めることもいいでしょう。
欲を言えば一筆箋を書いたり、電話をしたりして保護者に頑張りを伝えることもしたいところです。
実は、先ほど「暴言を吐き続け、暴力を振るい続ける子」に出席停止という措置を使っていくべきと述べたのは、「真面目に頑張っている子」を守るためなのです。
大変な子は多くの場合、学校で言えば充分に目をかけてもらっています。そうではなく、もっと意識的に真面目に頑張っている子にも光を当てていきましょうという話でした。