忘れ物をする子供がいます。
「先生、筆箱を忘れました。」
私は
「そうか。大変だね。」
しか答えません。
子供が
「先生、筆箱を忘れました。貸してください。」
と言えば、
「いいですよ~。」
と筆箱を渡します。
「先生、筆箱を忘れました。どうすればいいか分からないので教えてください。」
の場合は
「じゃあ、筆箱を貸しますよ~。筆箱を貸してくださいと言ってごらん。」
となります。
私の信条の1つは、「分かり勝手の良い教師にならない」です。
先ほどの例で言えば、「筆箱を忘れました。」と言いに来た段階で、「ちゃんと正直に言えてえらいなあ~。」とすでに思っています。ですが、それで「はい、筆箱だよ。」と渡してしまっては、自立した人間に育たないと思うのです。
毎日連続で忘れない限り、忘れ物自体を叱ることはほとんどありません。しかし、忘れ物をした後の言動には注目します。きちんと、「自分はこうしたい。」「先生にはこうしてほしい。」と言える人になってもらいたいと思います。