1年生の文字指導には4つの山があると思っています。
①ひらがな清音
②特殊音節(ちゃちゅちょ・小さい「っ」・のばすおん等)
③カタカナ
④漢字
これらをきちんと乗り越えられるかがポイントです。
1年生の文字指導なんて簡単だよ!と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし上記①~④すべての文字数を合計すると約300文字です。一方で4年生が学ぶ漢字は202文字。画数うんぬんを除けば、300文字というのは、入学して間もない1年生には結構な負担なのだと想像できます。
今回の記事では①ひらがな(清音)指導について書きます。
清音とは、「あ」や「か」など、我々が「ひらがな」と聞いて思い浮かべる文字です。濁点(小さい点々)や半濁点(ぱぴぷぺぽ)は入りません。
園時代にひらがなの清音は学習済みの子も多くいます。小1担任ならば「入学してすぐなのに、子供たちはひらがな結構読めるんだなあ」と思ったことがあるでしょう。ですが、中にはいつまでたっても一文字ずつしか読めない子や、黒板のひらがなを写すことはできても「『さ』ってどう書くんだっけ?」となってしまう子もいます。
1 一文字ずつしかひらがなを読めない子
いわゆる「粒読み」「拾い読み」です。正確性はあるのですが、流暢性がないといってもよいでしょう。
このような子はクラスに多くても数人だと思います。ですので、ひらがなを書いたカードを何枚も用意し、単郷帳のようにめくって読みの練習をしてあげるといいでしょう。
個別の指導となります。単語帳を作るのが面倒ならば、「ぷりんときっず」のひらがなカードがおすすめです。ラミネートして切って渡すといいです。宿題に加える場合もあります。イラストが描かれており、視覚優位な子供にとってはさらに効果的です。
ちなみに、ひらがなは一文字一音で、英語に比べて読みやすい言葉とされています。それでも粒読みになってしまう子はLDを疑ったほうがいいかもしれません。
2 ひらがなを書けない子
文字を書くことが苦手な子はたくさんいます。微細運動障害なのかもしれませんし、視知覚機能に困難さがあるのかもしれません。ここでは先に挙げたように、「『さ』ってどう書くんだっけ?」となる子を対象とします。
いわゆる「文字の想起」ができない子です。よく行われる指導は、五十音表を渡すというものです。しかしこれだけではあまり効果はありません。なぜなら、そういった子は「さ」が五十音表のどこにあるのかがそもそも分からないからです。よって、行うべき指導は、
Ⅰ 五十音表を渡す
Ⅱ 「さ」はどこかな?と、「文字を探す練習」をする。(このとき、イラストつきの五十音表のほうが分かりやすい)
Ⅲ 聴写の練習をする(五十音表を横に置いておく)
Ⅱがポイントですね。「かっぱの『か』はどれ?」と言葉を言ってから、指定の文字を告げたほうがより良いかもしれません。このあたりは子供の様子に応じてで。
五十音表から文字を探す練習が難しいようであれば、今日は、さ行とた行と限定してもいいでしょう。
次回は②特殊音節編です。