授業中、離席をする子、私語が止まらない子、友達に手が出てしまう子、人の話を全く聞かない子。学校には特別支援を要する子が何人もいます。
保護者への連絡が必要になることもあるでしょう。
その際には3点セットで伝えるといいと思います。
「事実」「本人の困り感」「具体的な手立て」の3点です。
1つ目。保護者連絡の一番の鉄則は、「事実」を伝えることです。
「今日、○○さんが授業中に隣の席の子の鉛筆を取ってしまいました。」
「休み時間に、○○さんが教室の中を走り回っていて、転んでしまいました。」
などなど。
ここで教師の主観を入れるのは得策ではありません。
しばしば「学校として困っている」ことを伝える方がいらっしゃいますが、私はどうなのかな?と思います。。
「○○さんが授業中に出歩いていて、正直、困っています。」と保護者に伝えても、「はあ、そうですか、すみません、家で言ってみます」で終了です。教師の溜飲は下がりますが、子供の改善は薄いでしょう。
また、安易に「特別支援学級」などという言葉を出してはいけません。関係がこじれるだけです。
とにかく「事実」を淡々と伝えることが第一です。
2つ目。「本人の困り感」を伝えること。
先にも書きましたが、「学校が困っている」「教師が大変」という言葉はいりません。確かに教師も学校も疲弊します。が、保護者に言ってもあまり意味はありません。
そうではなく「○○さんが困っている」ことを伝えるのです。
例えば「○○さんが授業中、おしゃべりを止められず、困っているようです」など。
そこで「(教師である)私も心配なんです」ぐらいは言っても良いと思います。
そうすると保護者は「この先生は、自分の子供のことを考えてくれている」となる(はず)でしょう。
大事なことは「教師の困り感」ではなく、「その子の困り感」を伝えることです。
3つ目。「具体的な手立て」を伝えましょう。
上記の2つだけでも、悪くはないのですが、「じゃあ、結局学校ではどうするの?」がほしいところです。
そうすると提案型の連絡になって、保護者としても学校に「お願いします」と返答しやすくなるでしょう。学校としても、「言うべきことは言った」「やるべきことはやっている」というアピールになります。
例えば授業中の多動がおさまらない子がいたとしましょう。
事実と本人の困り感を伝えた後、次のように言ってみるのです。
「ひょっとしたら椅子が○○さんに合っていないのかもしれません。低反発のクッションやバランスボールに替えてみようと思うのですが、よろしいでしょうか?」
など。
手立てを示すこと、それが3つ目にポイントです。
というわけで、特別支援を要する子の保護者への連絡は「事実」「本人の困り感」「具体的な手立て」の3点を意識しようという話でした。