大変な学級を受け持ってみて、「なるほどね」と思ったことがあります。
それは、
「大変な学級では、普通の子が一番損をする」
です。
大変な学級というのは、「大変な子」「手がかかる子」が複数人います。
私の学級ならば、次のような子供です。
・体育の授業になると毎回パニックを起こす子
・生活科で外に行くと、虫が取れなくて大泣きする子。
・授業中に「それ、今聞きに来ること?」を何度も教師に尋ねにくる子。
・叱られると1時間以上うずくまってしまう子
これらを最も大変な子たちとしましょう。
一方で、そこまではいかないけれど、それなりに大変な子もいます。
・毎日登校を渋って、下駄箱のところで泣いている子
・すぐに授業中に立ち上がったり、大声を出したりする子
・人の物を勝手に触ったり使ったりして、他の子が困る子
・持病があり、走ると突然倒れることがある(と引継ぎがある)子
・問題が分からないと号泣する子
・場面緘黙の子
ここまでに該当する子が、クラスの4割を占めます。するとどうなるか。
教師の目や声掛けが、多くの場合、こちらの4割にいってしまうわけです。
すると自分のことはある程度自分でできる子や、本当は支援を必要としているのだけれど、他に迷惑をかけない子は、ほったらかしになります。
だから学級崩壊のクラスでは、学力が下がるのだなと思いました。
大変な子たちに教師の目が注がれるのだから当然です。
親ガチャや担任ガチャならぬ、学級ガチャです。
どうすればいいのか?
どうしようもありませんね。
教師としては、大変な子を放っておいたら他の子に迷惑をかける恐れがありますから、必然的に注意を向けなければいけません。教師のキャパシティーだって無限ではありませんから、結果的にその他の「普通の子」に他の学級に比べて手はかけられません。
加えて、学級に大変な子がいる場合は、その子を前提に授業や活動を考えなければいけません。以前受け持った1年生のときはできた活動でも、今回はできないことなどざらです。
根本的な問題は、
・教師(大人)が足りないこと
・教師が足りないのに、通常学級に特別支援学級相当の子が複数人いること
です。
そして特別支援学級相当の子の親は、自分の子が他に迷惑をかけていることには頓着せず、「自分の子が楽しく学校に行けているか」の1点で考えている…。(まあ、これは愚痴です)
「できる子」はいいんです。むしろ過度な教師の声掛けなど、逆効果の可能性もあります。問題は「普通の子」や「本当は支援を要する子」です。ここにリソースが割かれていないと、中学年以降、不登校やいじめ、学力不振などの原因になると私は思います。