学級担任は、父性・母性・子性を兼ね備えようという話。
父性は簡単に言えば、厳しさです。
ダメなものはダメと言える厳しさ。例えば、授業中に立ち歩いたり、時間を守れなかったりする子にビシッと叱ることができるかどうか。
母性は、温かさです。
子供に寄り添い、じっくり話を聞くことができるか。例えば、毎日忘れ物をする子に「どうしたの? 悩んでいることはある?」と優しく尋ねられるかどうか。
子性は、子供らしさです。
子供と同じ目線に立ち、子供と共に笑ったり話したりすることができるかどうか。例えば、休み時間に一緒に走り回ることができるかどうか。
どの教師も、持ち前のキャラクターがあります。父性・母性・子性のいずれかが得意で、いずれかは苦手とするものです。一般に、男性教員は父性、女性教員は母性、若手教員は子性を強くもちます。
学年部は、父性・母性・子性をもつ教員がそれぞれいることが望ましいとされます。
私が所属する学年部(4学級)はその典型です。私は父性、学年主任(女性)と別のベテラン教員(女性)は母性、残りの一人は若手で、子性。
しかし最近、一人一人の教員が「父性・母性・子性」を兼ね備えるべき時代だと思うようになりました。
理由は簡単。子供は様々だから。
会津の規範のように、「ダメなものはダメ!」ときっぱりした物言いを好む子もいれば、話をじっくり傾聴する教員を好む子もいます。
かつてはどれか1つの性質をもっていれば、何とかなったと思います。ただ、現在は子供も、そのバックにいる保護者も許容度が下がっている気がします。
「今年の先生は何も話を聞いてくれない!」
「一人一人に優しすぎて、子供が甘えてしまって授業が成り立っていない!」
「教師の仕事は遊ぶことではなく、しっかりと学習を教えることでしょう!」
等々、教師に求める力は年々高まっています。
どうすればいいのか。
ここでタイトルに戻るわけです。
父性、母性、子性を兼ね備えた教師になりましょう、と。
難しい?
私は、3つの性質を、時や場に応じて繰り出していければいいと思います。
「ダメなものはダメ!」と叱る場面があってもよいでしょう。一方で、休みがちな子や場面緘黙の子に父性一辺倒では無理です。やんちゃな男子と心を通わせるには、一緒に遊ぶことが有効です。
ですので、自分の性質を理解したうえで、残りの2つの部分も状況に応じて取り入れていくというのが現実的な解決策になるでしょう。意識して毎日を取り組むと、結構できるものです。