小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

素直な子が一番伸びる

十年近く小学生を教えていて思うのは、「結局、素直な子が一番伸びる」ということ。

 

ここで言う素直さとは、大人に言われたことをその通りにすることです。

 

例えば漢字の学習。

 

書き順があります。「『1,2,3,4』と唱えながら書くんだよ。」「貫く縦の線は最後に書くよ。」などと教えます。知的な問題で言われたことを理解できなかったり、手先が不器用で上手にできなかったりする場合は、教師側の教え方を工夫したり、あえて声を掛けずに見守ったりすることもあります。

 

問題なのは、言われたことを理解していて、しかもその通りにする力もあるのに、あえて勝手に自分の好きな通りに書く子です。「口という漢字は四角なんだから、一画で書けばいいや。」というように。

 

あるいはテスト直しのとき。「間違ったところを赤で直すよ。その方が頭に残るよ。」と伝えても、「どっちも同じ。」と言って鉛筆で直す子。

 

算数の授業で、「ノートがぐちゃぐちゃになるといけないから、数字は1マスに1つ書くよ。」と言っても、「読めればいい」と言って、1マスに3つも4つも数字を書く子。

 

下駄箱で「靴をそろえるよ。その方が気持ちがよいよ。」と教えても、「家でもやってないからやらない。」と言って、適当に下駄箱に入れる子。

 

このような子に、私は過度に教えません。2回か3回かは教えたり、やり方を実際に示して見せたりしますが、それでも大抵の場合、その子は行動を変えません。その子の特性もあるのでしょうが、子供と戦っても仕方がないなと思って、それ以上は言わないようにします。

 

逆に、私に言われたことをきちんとする子もいます。

 

そのような子は例外なく伸びます。

 

どの教師も、子供のよくあるミスを踏まえて教えています。ですから、きちんと言われたとおりにする子は、よくあるミスをしないですみます。先の算数の例で言えば、1マスに1つの数字を書く子は、計算ミスが少なくなります。落とし穴に落ちにくくなるとでも言ってもいいでしょう。

 

逆に、素直さのない子は、生活も学習も雑になります。褒められることも減ります。教師が何かを言っても変えようとしないどころか、下手をすれば反発をしてきたり、果ては親が学校に文句を言ってきたりします。これを「自分の頭で考えられる子」とは呼びたくありません。ただの「わがまま」「自分勝手」だと思います。極論、(その子の人生だから、もう別にいいや)となります。

 

とはいえ、上記ほど素直さのない子は稀です。ただ、ほんのりと「何となくやろうとしない」程度の、素直さに欠ける子はたびたびいます。

 

「自分で考えること」の大切さばかり言われている現代ですが、初等教育においては、言われたことを言われたとおりにする子の方がよく伸び、ひいては自己肯定感が上がると思います。