小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

インクルーシブ教育の条件は「他人に危害を加えないこと」

日本の現在の通常学級に限って言うならば、という話。

 

インクルーシブ教育がさかんに言われています。障害をもった子、国籍や宗教が多くの子とが違う子なども、同じ学習空間で学ぶ教育を指します。

 

たしかにインクルーシブ教育の理念は素晴らしいと思います。例えば車いすを使う子が学級にいた場合、車いすを使わない子にとっても大事な経験になるでしょう。インクルーシブ教育とは、いわゆる「普通の子」にとってこそ、「世の中にはいろいろな人がいるのだな。」と理解する、大切な教育だと思います。

 

が、しかし。

 

申し訳ないのですが、現場の人間としては、1つ条件があります。

 

それは「他人に危害を加えないこと」です。

 

定型発達の子供が、幼稚園・保育園・小学校低学年ぐらいに起こす、小競り合い程度ならば私は全く問題だと思いません。むしろ多少のけんかを通してこそ、社会性は身に付くと思います。

 

正直、困るなあと思うのは、見境なしに周りに暴力をふるったり、物を投げて誰かを傷つけてしまったりする子です。パニックになってしまう子は、ときどきそのようなことをしてしまいますね。

 

多様性が叫ばれる世の中であっても、いや、多様性が叫ばれる世の中だからこそ、最低限超えてはならない一線があります。それは「他人に危害を加えないこと」だと思います。

 

「いやいや、パニックを起こしたくて起こしている子はいない。環境調整を学校がするべきだ!」

 

はい、確かにそうかもしれません。しかし例えば「いつも一番に指名されないと怒って椅子を投げる」「給食のおかわりができなくて、隣の席の子の腕を鉛筆で刺す」「じゃんけんで負けると大声で泣き叫び、近くの子を叩く」ような場合、どうすれば良いのでしょうか。

 

支援員がいればいい? いません。教育、もっと言えば学校にお金はないのです。保護者に協力を願っても「仕事ですので」と断られる時代です。結果的に、「周りに危害を加える子は、とにかく特別扱いをする」しかないのです。かつて、そのような子を受け持った先生は「腫れ物に触るように、毎日その子と付き合った」と仰っていました。

 

もしも、その子が誰かを傷つけてしまったとしたら、責任をとるのは保護者です。が、説明をするのは学校ですし、被害児童の保護者が怒る対象に学校も入ってきてしまいます。「管理責任はどうなっているのだ!」と。

 

そりゃあ、そうだよなあと思います。私も一児の親として、安心して勉強をできない空間に子供を行かせたくありません。

 

つまり、誰も幸せになっていないのです。「我が子も通常学級でみんなと一緒に勉強してほしい!」と願う保護者の気持ちも分からなくはないですが、現状は悲惨です。であれば、他人に危害を加えてしまう子は、特別支援学級(情緒かな?)を選ばれることが良いのではないかと思います。