小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

特別支援学級入級を教師はすすめられない…が

「あなたのお子さんは、通常学級の授業や活動についていけていないので、特別支援学級が良いと思います。」

 

などと保護者に言ってはいけません。

 

もっていきかたにもよりますが、たいていの場合、トラブルになります。

 

その子に適した学級はどこかを決めるのは基本的に親です。支援学校がふさわしいと市が判定しても、親が「通常学級で学ばせたい!」と必死に訴えれば、親の願いが通る可能性は十分にあります。私の市では肢体不自由で常時車いす、食事は看護師が必要、発語なし…という子も、親が希望すれば(子供は事実上希望できないので)通常学級です。インクルーシブ教育という名のもとに。

 

市と親の交渉には、わりと市の議員が同伴してくるようです。

 

それはいいとして。

 

私の今年度の学級にも、これまでの学級にも、「通常学級では明らかに厳しいよね」と思える子供がいます(いました)。

 

会話がまともに成立しなかったり、テストは常に教師が横についていないと取り組もうとしなかったり、毎時間教室を徘徊したり、パニックになると物を投げて周りの子に危害を及ぼしたり…。

 

保護者の方々は、その現状を知っている方ばかりでした。それでも次のようにおっしゃるのです。

 

・高学年になれば、離席はなくなると思うので

・他の子に比べてゆっくりな発達なだけで、だんだんと追いついていくと思います

特別支援学級に行ったら、もっとパニックがひどくなると思います

・まだ小学校1年生なので

・みんなの様子を見ながらついていけているので、このままがいいいです

 

その子も、周りの子も、学校も、誰も幸せな人はいません。保護者の満足だけです。

 

(だいたい、このようなケースは、自分の子供のことしか親は考えておらず、周りの子のことや学校の現状については一切考えていません。まあ、考えているような親御さんなら、こちらが言うまでもなくすでに…ですね)

 

そう考えると、「無理に通常学級にいさせることは、一種の虐待じゃないかなあ」と感じることがあります。全く勉強が分からない・先生や友達の言っていることも分からない・毎日のようにトラブルを繰り返す…通常学級が本人にとって苦しい環境なのですから。

 

そうなったとき、教師はそれでも特別支援学級入級をすすめられないのか。

 

やんわりと伝えることはこれまで何度もありました。「ちょっと、今のままだと来年度は厳しいかもしれませんねえ…どうしましょうか。」など。

 

しかし、もっと学校は、教師は、日々の様子を踏まえて、「特別支援学級入級がふさわしいです。」ぐらい、びしっと言っても良いのではないかと思います。そのようなことを言っても問題にならないように、学校や教師に、権限を与えてほしいものです。

 

今は学校も教師も(当然私も)保護者といかにトラブルを起こさず、波風立てずに日々を過ごすかを考えがちです。特別支援学級入級うんぬんかんぬんなど、火種になる恐れぷんぷんですからね。容易なことは言えません。が、それでも、その子と周りの子(と保護者)のことを考えれば、やはり学校は強く言っていかねばならないと思うのです。

 

学校に就学について指導する権限をくれ!!

 

ってところが今回の記事の主張です。