小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

特別支援学級の担任は学校の中心であるべき

あなたの学校の特別支援学級(個別学級)の担任はどんな人ですか?

 

特別支援教育スペシャリストでしょうか? 一人一人にきめ細かく対応する優しい先生でしょうか?

 

はたまた「通常学級を担任させられない方」でしょうか?

 

私はかつて1年間、特別支援学級の担任をしていました。初めての経験で戸惑うことが多くありました。何より驚いたことは、特別支援学級担任の孤立感でした。

 

教室は学校の2階の端っこでした。支援学級は1クラスだったので、私が必然的に主任だったのですが、学年主任者会には出席できませんでした。台風で給食カット・下校という伝達がなされなかったということが2回もあるほど、影の薄い特別支援学級でした。

 

異動していきなり特別支援学級の担任(1クラスのみ・知的・7人在籍)を任せるという人事(特に希望していたわけではない)にも驚きました。

 

当時の管理職は、特別支援学級を重要視していなかったのだなと今振り返ると思います。私個人としては、右も左も分からず(前任者は他の学校に異動していたため)、手探りの一年でしたが、特別支援教育発達障害について勉強する機会になったと思い、今では肯定的な印象を持っています。

 

さて、ここからが本題です。

 

私は特別支援学級の担任は大きく分けて2種類いると思います。

 

特別支援教育にプライドを持ち、非常に熱心に行う先生

 

2通常学級を受け持つことができないため、特別支援学級に「回されてきた」先生

 

2の先生は中学校に多いと聞きますが、小学校にもいらっしゃるように思います。数人の、比較的静かな特別支援学級の子供たちならば言うことを聞くだろうという学校人事の都合ですね。

 

当然、あってはならない人事です。ですが、まあ、気持ちもわかるのです。特別支援学級が崩壊しても、学校の崩壊には直結しないからです。しかし通常学級(この言い方も嫌いです…通常って何?)が崩壊すると、下手をすると学校の崩壊につながります。だから力のある先生は通常学級の担任に回されます。その学校に特別支援教育に精通した人がいればいいのですが、そうでない場合は、消去法で決まります。私の場合もそうだったようです。(それにしても他市から異動者にいきなり任せるとは…今でも首をかしげます)

 

それでも、声を大にして言いたいことは「特別支援学級の担任は学校の中心であるべき」だということです。

 

なぜなら、特別支援学級の扱いにこそ、その学校の「哲学」があらわれていると思うからです。

 

ある意味、特別支援学級の子供たちは「弱い」存在です。その子供たちに手厚い教育ができずして、通常学級の「学習に困難さを覚える子供」を育てることができるのか、と。特別支援学級の子供たちへの手厚い教育こそが、成熟した社会のあるべき姿ではないか、と。

 

特別支援学級の担任にその学校のエースを充てろというわけではありません。特別支援学級の担任にもっとスポットライトが当たるようにするべきだと言いたいのです。

 

情報が特別支援学級にだけ回ってこないということは、特別支援学級担任あるあるです。プリントが配ばれなかったということもよくありました。PTA総会の学級紹介でも最後でした。

 

それではいけない。

 

特別支援教育をしっかりと行うということは、どの子も見捨てないという意思のあらわれです。その第一段階として、特別支援学級の担任をもっと大切にしていきましょうと私は言いたいのです。

 

ところで、私は先ほど、特別支援学級の担任は大きく2種類に分かれると書きました。その1つ目は「特別支援教育にプライドを持ち、非常に熱心に行う先生」でした。私は、このタイプの先生にも実は違和感を持っています。正確に言うと、「2種類のどちらかに分類できる人が多すぎる」ことが支援学級の問題だと思います。通常学級の担任の場合、「熱心な先生」と「力量が不足した先生」の間にも多様な「先生」がいます。実はそこにこそ、今の特別支援学級の問題があるのだと考えています。

 

が、それは次回以降。

 

余談ですが、私は今は通常学級(小学校5年)の担任です。受け持っていた特別支援学級は現在8名で定員MAX。来年度、2クラスになるかもしれないなと思っています。