学級経営に織物モデルというものがあります。横藤先生が提唱されている学級経営論ですが、マーケティングの世界でも使われているようです。
織物は縦糸と横糸から成ります。学級経営で言えば、縦糸とは教師と子供との関係です。それも馴れ合いの関係ではなく、毅然とした上下関係というべきものです。子供は学校や学級のルールを徹底する、教師の指示に従うようにする、挨拶や返事をきちんとする。これらを縦糸を張ると言います。
横糸とは子供同士の関係性です。構成的グループエンカウンターや授業中の班活動を通して、子供同士の関係を良くしていくことを、横糸を張ると言います。
どちらが大切かと問われたら、どちらも大切です。しかし順番があります。織物も縦糸から紡ぐように、学級経営も縦糸から織っていきます。次に横糸、最後に縦糸が見えなくなるぐらい、横糸が紡がれれば最高です。
私は1学期は縦糸を張ることをメインにすれば良いと思っています。では2学期は?
そう、横糸です。縦糸だけでは息苦しいのです。反発も予想されます。そこで横糸です。
横糸の張り方とはどのようなものでしょうか?
先ほど述べた構成的グループエンカウンターの他、次のようなものが考えられます。
・係活動
・ペアトーク
・ミニゲーム(いろいろな本に載っていますね。)
などなど。
私は小学校1年生の担任ですので、ミニゲームをすることが多いです。
ミニゲームは大きく分けて2種類あると思います。
1つ目は教師主導型です。
例えば命令ゲーム。教師が「命令」と言ったことだけ子供はします。「命令」と教師が言わなかった場合、子供は動いてはいけません。「船長さんが言ったゲーム」や「サイモンセイズ」など、名称は異なりますが方法は同じゲームはいくつかありますね。
他にも、「消しゴム取りっこゲーム」があります。隣の席の子と机をくっつけて、机と机の間に消しゴムを置いて取り合うゲームです。教師が「キャベツ!」と言ったときだけ取るというもの(別にキャベツでなくてもいいのですが)。当然、フェイントで「キャンディ」など言うと盛り上がるというお決まりの流れです。かなーり盛り上がります。
これらは教師主導型ですので、安定しています。それでいて子供同士が楽しめる良さがあります。
もう一方は、教師見守り型です。子供に委ねるゲームです。
といっても、完全に委ねるのではありません。ルールは基本的に教師が決め、活動中に教師が口を出さないものです。
例えば「握手ゲーム」。子供たちは互いに無言で握手をします。「せーの」だけは言い、握手「ぎゅっ」をします。ただ、そこで血液型がA型の子は1回、B型の子は2回、O型は3回、AB型は4回、分からない子は5回「ぎゅっ」とします。「ぎゅっ」の回数が合ったら、自然と笑顔になってハイタッチをする子も現れます。クラスがとても楽しい雰囲気になるゲームです。
このゲームの最中、教師は特に何も言いません。ゲーム後に価値づけるために、男子と女子が互いに楽しくしている姿を見つけておく程度です。
ただ、私のクラスでもあったのですが、「○○ちゃんが握手してくれなかったー」といった「トラブル」も生まれます。子供に委ねると、こうした「トラブル」がつきものですが、それも学びにつながりますね。ただ、トラブルが毎回起こっていると、私も子供もげんなりしてくるので、「教師主導型」のゲームと「教師見守り型」のゲームを1つずつ行うのがおすすめです。
他にも、授業中にペアトークや班で話し合う時間をつくったり、友達クイズと称してクラスの○○さんの好きなものを当てたりする活動を行います。こうすることで互いのことを知り、より一層クラスの関係づくりができると考えます。
2学期は横糸を重視した学級経営をしていきましょう。