小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

学校の電話をとるのは誰?

職員室に電話の呼び鈴が鳴り響きます。

 

さて、誰がとるべきなのでしょうか?

 

基本的には事務室にいる事務職員が電話をとります。授業中ならば職員室は、ほぼもぬけの殻だから当然です。

 

では放課後は?

事務職員がいれば、その方々がとります。

 

問題は事務職員がいなかった場合です。

 

学校によって、電話に出るのは次の3つに分かれると思います。

 

①管理職

②若手

③年齢立場関係なく、気付いた人

 

私の学校では、①が基本ですが、③の場合も多いですね。ただ、2つの点から問題があります。

 

第一に、(私もそうなのですが)電話が職員室の自分の席の近くにあると、必然的に電話をとる回数が増える問題です。電話をとる=業務が止まるわけですから、正直ちょっと不公平だなと感じます。

 

第二に、そもそも電話をとることは教員の仕事なのか?という問題です。教員の仕事とは、教員免許を持っている人にしかできないことだと思っています。例えば授業であったり、保護者連絡であったり、不登校やいじめなどの対応であったりします。逆に、テストの採点や雑草取り、教室や廊下の修繕などは教員の仕事ではないと考えています。住み分けをしっかりとしましょうというのが、持論です。難しいのでしょうが、理想はコールセンターな部署を作ることです。

 

一方で、「②若手」が電話をとる学校も多いでしょう。

 

本校の良いところは、若手が率先して電話をとる雰囲気がないことです。

 

前任校では違いました。若手が電話をとる空気に包まれていました。それどころか、あえて若手の机の上に電話が置かれていました。「3コール以内に必ず電話に出ること!」と管理職から命じられていました。私も命じられた一人で、当時は何も疑問を抱いていませんでした。

 

が、今思うと、大きな誤りだなと感じます。

 

なぜなら若手こそ、教員にしかできない仕事に注力すべきだからです。

 

若手は、明日の授業を考えたり、子供のノートにコメントをしたり、学級通信を書いたりして、自分の実践をどんどん追究すべきだと思います。

 

「電話を教員がとる」という文化をつくるのなら、年齢立場の別なく、全員がとる意識を高めるべきです。

 

ここまでは「放課後」の話でした。

 

では、放課後の中でも、「勤務時間終了後」はどうでしょうか?

本校では、上記と同じ対応です。つまり基本的には管理職がとり、管理職が出られないようであれば、他の職員が慌ててとる…方式をとっています。

 

これは明確に「間違い」だと思います。

 

なぜならば「勤務時間終了後」だからです。

 

どの企業でも、勤務時間終了後は電話に出ません。勤務時間終了後にも律義に出る学校の文かはおかしいと思います。

 

本当に不思議なのは、「我が市では6時半以降は留守番電話対応をしております」と市教委が広報している点です。いやいや、(勤務時間終了の)5時~6時半までも留守番電話対応をするべきです。

 

ですから「勤務時間終了後」はそもそも「電話に出ない」が正解です。どうしても出たいのであれば「管理職」が出るべきです。

 

このあたりを勘違いされている管理職がときどきいらっしゃって困ります。

 

私の前任校よろしく、「電話は3コール以内で出る!」「それ以上待たせたときは、『お待たせして申し訳ございませんでした。』と一言伝える!」と口角泡を飛ばす管理職がときどきいます。

 

いえいえ、そもそも電話に出ることが教師の仕事ではありません。コールセンターではありませんからね。事務職員もいない、管理職もいない、そんなどうしようもないときならばまだ分かりますが、だとしてもそんな電話のルールまで徹底されたら堪らないな…というのが本音です。そして勤務時間終了後は一切電話に出る義務はないはずです。

 

と…ここまで書いてのどんでん返し。

 

「上記のように考える職員は、そもそもチームの一員としてどうなのか?」です。

 

心の底から学校のことを考えていたり、自分の所属する学校を良くしたいと願ったりする人ならば、やはり率先して電話に出るべきだという意見もあります。

 

なぜそう考えるかというと、私はときどき、次のようなことを子供に伝えるからです。

「仕事には3つあります。1つ目は自分の仕事です。皆さんにも一人一人、給食当番や掃除当番の担当がありますね。それらは自分の仕事です。2つ目は友達の仕事です。言い換えれば友達の当番です。友達が困っていたら、手伝ってあげる人もいるかもしれません。そして3つ目が、誰のものでもない仕事です。教室の床にごみが落ちていたら、誰が拾って片付けるのでしょうか。担当の人はいませんよね。ですから、誰のものでもない仕事というわけです。この誰のものでもない仕事を見つけて、実行に移せる人は立派だと思いますよ…」

 

現状、「電話をとる」仕事は「誰のものでもない仕事」です。

 

であれば、私が子供たちに語っているように、学校の一員としてすべきことは、「進んで電話をとる」ことだと思うのです。

 

繰り返しますが、私は「電話をとる」仕事も、しっかりと役割分担をしていくべきという考えの持ち主です。が、このように役割分担をしていく、つまり校務分掌を細かく定めていくことは本当に良いことなのでしょうか?

 

校務分掌を細かく定めていくと、「それは○○さんの担当ですね。」や「それは私の仕事ではないから…。」という言葉を職員室でよく聞くようになると思います。既にそうなっている学校も多いでしょう。もしも電話対応というポストを作ると、同様のことが起きるかもしれません。「電話が鳴っているけれど、それは私の仕事ではないから…」。

 

たかが「電話をとる」問題ですが、こう考えていくと、自分の中で納得解がまだ出てきていないのです。