小学校教師クラメロンの日常

関西のみかんが有名な県に住んでいます。小学校教員。3.5.2.6.5異動1.4.特別支援学級.5.1という流れ。今年も生徒指導主任。

子供の発言力を鍛える

先日、校内の中心授業をしました。教科は国語。「たぬきの糸車」という物語文を授業しました。 様々な問題点が浮かびましたが、その中の1つの「子供たちの発言力が低い」ことが気になりました。 発言力とは何でしょうか? 大きく技術面と心情面に分かれると…

1年生担任は0を1にする仕事

1年生を担任して思ったことの1つは、 「1年生担任の仕事は1年生を小学生にすること。つまり0を1にすることだ。」 です。 言い換えれば、2年生以上は1を10にしたり、100にしたりする仕事です。全て応用編とも言えましょう。 考えてみれば当たり…

授業は教師の仕事の面白さ

前回、教師の仕事の中心は授業ではないと書きました。 では、授業はいったい何なのか? 授業は教師にとって、面白さの1つだと思います。魅力と言ってもいいでしょう。醍醐味…は言いすぎかなと思います。他にも楽しいこと、面白いことはあるので。 いい授業…

教師の仕事は授業ではなくトラブルを解決すること

今日は大失敗をしました。 子供を強烈に叱ってしまいました。感情的に叱ったので、怒ったと言った方が良いかもしれません。 2年生の男子2名がトイレの水道のところで追いかけっこをしていました。逃げていた男子が、ちょうどそこへ来た別の男子に衝突。互…

子供の語彙を増やすには?

次の本を読みました。 語彙力を鍛える~量と質を高めるトレーニング~ (光文社新書) 作者:石黒 圭 光文社 Amazon 語彙には2種類あります。 ①理解語彙 ②使用語彙 です。 本を読んで、「どうすれば子供の語彙力を高められるのか?」について考えました。 ①理…

子育て世代の教師修業

かなり難しいよねという話。 独身時代は夜遅くまで学校に残って仕事をしたり、休日はセミナーに行ったり、サークルに参加したりと、いろいろできました。 しかし結婚し、子供が生まれると、生活の中心は子育てになります。平日はできる限り早く帰らないとい…

「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」書評

知人に薦められた本。なかなか面白く読めました。 先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち 作者:金間 大介 東洋経済新報社 Amazon 令和の若者の心理を解説した本です。端的に言うと、「いい子症候群」の若者となります。 著者は大学教…

公教育はオワコンなのか?

日本全体がオワコン(終わったコンテンツ)化している中、特に教育界は「オワコンofオワコン」のような気がしてならない。教育の中身もオワコンなのだろうが、教師目線で、働き方という観点からもオワコンかなと最近思う。 少子化は止まらないし、予算は増え…

キャリアをどうするか

最近考えていることの1つに、今後の教師キャリアをどうするかという問題があります。 教員は40代になると、大きくざっくり分けて2つのキャリアがあります。 1つ目は一般の教員(ヒラ)で生きていく 2つ目は管理職(校長や教頭)になる 自分は「一般の教…

教員免許がいらない仕事はしない

ドクターXで、主人公が「医師免許がいらない仕事はしない!」ようなことを言っていました。 教員も同じだよなと思います。 「教員免許がいらない仕事はしない」 例えば校庭の草取り、朝の健康観察、放課後の消毒作業、プール管理、駐車場の設営や誘導、集金…

漢字を覚えるには多感覚で

「どうすれば子供が漢字を覚えられるようになりますか?」 しばしば聞かれる質問です。 教師編と保護者編があります。 今日は教師編から。 何が違うかというと、教師編は「教え方」に重きが置かれるのに対して、保護者側は「宿題の仕方」について説明するか…

2年生の担任をするときに大切なことは何ですか?

勝手にQAシリーズ第2弾。 以前、タイトルのように若手に聞かれました。 次のように答えました。 「何と言っても九九だと思います。九九を全員がしっかりと覚えたら合格ではないでしょうか。ここで言う『しっかり』とは、上がり下がりで各段10秒以内、ランダ…

どうすれば本を読む子供になりますか?

前回の続き。 そう問われたらどう答えるか。 「粗く分けて3つの方法があります。 1つ目は本に出合う回数を増やすこと。 2つ目は身近な大人が本を読むこと。 3つ目は本を読んだらご褒美を用意すること」 1つ目について。 そもそも家に本が何冊あるのかと…

国語の読解力をつけるにはどうすればいいですか?

と、保護者の方によく聞かれます。 私は答えます。 「初読の文章に慣れましょう。」 怪訝な顔をする保護者。説明を続けます。 「小学校の国語のテストは正直言ってそんなに難しくありません。なぜなら何十回も音読し、何度も授業を受けた末の文章が出てくる…

結局お金を持ってくるしかない

先日、熊本市教育長の遠藤洋路氏の『みんなの「今」を幸せにする学校』を読みました。 氏は、よくある小中学校の校長→教育長という流れではなく、中央省庁出身の元役人です。さすがにお金の流れがよく分かっていらっしゃるし、読んでいて氏の頭の回転の速さ…

情熱を持ち続けるってすごい!

最近、ベテランの先生って本当にすごいなと尊敬します。 ベテランといっても、管理職の方々ではなく(もちろん尊敬していますが)、50代~でもばりばり学級担任や授業をされている先生方を指します。 私はまだ採用されて7年目ですが、正直、もう疲れたなと…

教師として、あなたは誰に好かれたい?

教師は職場で、主に次の3者と付き合います。 1 子供 2 保護者 3 教職員(教師+事務やサポート員などの職員の総称) この3種類の人たちのうち、あなたが教師として、好かれたいのは誰ですか? 「そんなの子供に決まっているじゃん!」 と言う人もいれば…

サイレント・マジョリティを大切に

「物言わぬ多数派」と略される「サイレント・マジョリティ」。 しばしば学級を組織する上で、2・6・2の法則(パレートの法則)が語られます。中間層を味方につけよ。つまりは「問題をそれほど起こさないけれど、真面目に頑張っている子供たちを大事にせよ…

正直、教師やってられないよね

正直、萎えたな~という経験をしたので記しておきます。 ある保護者から次のような要望がきました。 「我が子が友達とけんかをしたり、転んでけがをしたり、忘れ物をしたりしたら、必ず連絡をください。」 …もうねえ、無理です。 確かに、過度なけんかや首よ…

2021年度(令和3年度)の振り返り

教師の大みそかは3月31日だとどこかで聞いたことがあります。 今の時期にすべきことは何と言っても「今年度の振り返り」でしょう。私はそれを、次の4つの点から考えています。 ①学級経営 最大の成果は大きな問題がなかったことでしょうか。 えっ、そんな…

特別支援学級担任は学校のエースがするべき

数日前、次のニュースが流れました。 news.yahoo.co.jp 記事では、新規採用10年目までの教員が、特別支援学級の担任等を2年以上経験するのが望ましいと言われています。その理由として、特別支援学級在籍の児童生徒が急増しているのに、教員の育成が進んで…

やっぱり「総合」は、やめたい

数年前、このブログで「もう総合はやめよう」という主張をした記憶があります。数年間教師をやってきて、この主張は全く変わりません。むしろ思いを強くしてきました。 総合とは「総合的な学習の時間」のことです。週に2時間、学校や学年学級ごとに決めた探…

子供の誕生は人生のフルモデルチェンジ

自分にとって、今年の最大のニュースは子供が生まれたこと。これに尽きます。 これ自体は喜ばしいことで良いのですが、子供が生まれること(子育てが始まること)は人生の大転換だなと感じています。今年の後半、ブログを書く回数が急激に減ったのは子供が生…

教育実習生への指導

今週から教育実習生が来ている。まだ二十歳。大学3年生の女性である。 初めて今年、教育実習生を受け持つことになったわけだが、正直どう対応すればいいのか分からない。 その方は、「教員になるかどうか分からない」と言っている。これが厄介のもとだ。 教…

勝負は10月

学級担任をしていて、子供が荒れやすい時期を「魔の○○」と言います。6月・11月・2月の3回あると言われます。 どれも、ちょうど学期の真ん中でだらけやすく、目標を見失いがちになることで起こる現象とされます。 今まで自分のクラスを振り返っても、他の…

大川小学校の悲劇はなぜ起こったか?

宮城県石巻市立大川小学校。東日本大震災で津波の被害にあった学校です。地震が起こったとき、学校管理の下で残っていたのは76名の児童+13名の教職員。そのうち生き延びたのは、なんと児童4名と教職員1名のみ。 生存率わずか5%。学校教育史上最悪の結果…

衝撃の「教師大全」

週刊ダイヤモンドの6月12日号の特集テーマは「教師大全」。 副題に「出世・カネ・絶望」 週刊ダイヤモンド21年6/12号 [雑誌] 作者:ダイヤモンド社 ダイヤモンド社 Amazon 現場の人間からすると笑っちゃうようなテーマだが、中身はかなり面白かった。 ・い…

聞く態度の指導ではなく、聞き方指導を

聞く力は小学校現場で極めて大事にされます。 しかし「聞く力」を明確に自分の言葉で定義づけているなと感じる人は少ないように思います。 先日、校内研修で先輩の先生が「私が授業で一番大事にしていることは聞くことです。」と仰っていました。そこに異議…

公立学校は町のレストラン

近所のレストランに行った。なかなか評判の店で、わりと市内では有名なレストラン。味も確かで、帰り道は幸せな気持ちでいっぱいだった。 ふと「公立の学校もこうあるべきだな」と思った。 学校は大きく分けて、公立と私立と国立がある。公立がそのほとんど…

指導案の事前検討会はやめよう

昨日、本校で授業研究会が行われた。市の教育委員会の指導主事数名が来て、あーだこーだ言い合ったり、指導を受けたりするもの。 今回、中心授業をしたのは本校期待の若手A先生。5年の算数をやっていた。 2週間ほど前に指導案が配られ、会議室で全職員参加…